はるか昔、人類は鉄という金属の存在および、その有用性に気付きました。
「人類が鉄を知った“きっかけ”とは何か」という問いの答えには諸説あるため、ここでは多くは語りません。
ただし世界の多くな場所で、「かなり古くから、武器や生活用具や装飾品など身の回りのさまざまな物を作り出す材料として、鉄が使用されていたのではないか」と推測できるような物証や記述が発見されているようです。

ただし鉄は一般的に、“鉄として認識されている形の金属”の状態で発見できるわけではなく、その多くが“鉄鉱石(鉄を含んでいる鉱石)”の状態で掘り出されることとなります。
鉄鉱石のままでは利用方法が限られてしまいます。
そのため、「より有用な形で鉄を利用するためには、どうしたらよいか」などという研究がなされてきたほか、鉄を利用するためのさまざまな技術も発展し続けています。

鉄を含む鉱石である鉄鉱石(てっこうせき)などを製錬して、“銑鉄(せんてつ、中に含まれる炭素分が一定の割合よりも多い鉄)”を作り出す技術である“製鉄(せいてつ)”。
また鉄鉱石や銑鉄といったものなどを材料として、“鋼(はがね、中に含まれる炭素分が一定の割合よりも少ない鉄 )”を製造する技術である“製鋼(せいこう)”。
もちろんこういった「鉄をより使いやすい形状へと加工する技術」だけでなく、作り出した銑鉄や鋼などを加工していくためのさまざまな技術や、鉄を活かした製品の作り方なども進化しているのです。

そして現代では、私たちの身近なところに、大量の鉄が使われています。
例えば家や店舗の中に置かれている家具や電化製品や調理器具などに使われていたり、建物の建築資材として柱などに使われていたり、道路を走る車などに使われていたり……少し意識するだけでも、数え切れないほどたくさんの鉄製品に気付くはずです。
鉄がそのまま使われている製品以外にも、合金(2種類以上の金属を融合させることにより作り出された金属)として使われているというような製品も多いと言えるでしょう。